The Astrological Society of Japan
日本占星術
カンファレンス
日本占星術協会主催 第3回
〈2024年テーマ〉
リビング・レガシー
【開催日時】
2024年9月28日(土)12:00~
【開催形式】
Zoomオンライン
ご挨拶
今回で3回目を迎える日本占星術カンファレンス。
今回は天文家であり、占星術家のぐらさんに初めて登壇していただきます。
そして、日本で『現代占星術家のための伝統占星術入門』が翻訳され、出版されたアメリカの伝統派ベンジャミン・ダイクス博士、
現在アメリカに在住し2回目の登壇となるバーグ文子さんのお二人に現地からご登壇いただくということになっていて、ボーダレスなスピーカー陣となりました。
近年、オンラインが生活に溶け込み、家に居ながらも海外に住む人々と容易にコミュニケーションを取ることが可能になりました。
その結果、情報の拡散が非常に早く、また広くなり、占星術業界もその影響を受け、以前よりも欧米の占星術の知識を現地とほぼ変わらないスピードで吸収することができるようになりました。
情報過多ともいえる時代ですので、情報の取捨選択、そしてその実践が不可欠になるでしょう。それには多くの時間が浪費されます。
この日本占星術カンファレンスでは、スピーカー陣が時間をかけ、研究し、取捨選択された知識を提供してくれると思います。
遠回りすることなく、占星術を学んでいただけることができたら幸いです。
日本占星術協会会長 田中要一郎
スケジュール
12:00pm~12:20pm 開会式
01:00pm ベンジャミン・ダイクス PhD
02:00pm バーグ文子(Ayako Berg)
03:00pm ぐら(皆川剛志)
04:00pm いけだ笑み
05:00pm 芳垣宗久
06:00pm 夕食休憩
07:00pm 田中要一郎
08:00pm 賢龍雅人
09:00pm 鏡リュウジ
10:00pm ヘルメス大賞
〈ヘルメス大賞は過去3年間に出版された占星術の研究書、教本、翻訳書のうち、最も優れていたと認められる書に与えられます。〉
10:30pm~ 閉会式
各講義50分。
講義と講義の間に10分間休暇。
夕食休憩は1時間。
Twitter公式ハッシュタグ:
#日本占星術カンファレンス
講義内容
(登壇順)
ベンジャミン・ダイクス PhD
カウンター・ディグニティ
多くの占星術家は、惑星のルーラーシップである「ディグニティ」について知っています。最も重要なディグニティは、ハウスによるルーラーシップ(火星はハウスやサインで牡羊座を支配)とエグザルテーション(太陽はエグザルテーションで牡羊座を支配)です。しかし、古代の占星術師には、これらと反対の 2 つのディグニティがありました。これを「カウンター・ディグニティ」と呼ぼうと思います。これらのカウンター・ディグニティは非常に重要です。ハウスのルーラーシップの反対は「デトリメント」、エグザルテーションの反対は「フォール」です。この講義では、これらのカウンター・ディグニティをどのように解釈するか、出生図で良い形で現れる驚くべき状態も含め説明します。これらのカウンター・ディグニティを理解すれば、よりよいアドバイスができ、出生図の持ち主の人生についての良い情報を与えることができます。
バーグ・文子(Ayako Berg)
古典占星術における体液病理学:ハイレジカル・ポイントと病気の傾向と対策
メディカル・アストロロジーでは、ネイタルチャートを使用した体質傾向とデカンビチュアチャートを使用した特定の病気や怪我についての予後を見る方法があります。今回は古典的なハイレグ(命を与えるもの、寿命)についての見解と簡易的計算法、17世紀の医師ウィリアム・サーモンの”Synopsis Medicinae”(医学の概要)を参考にしたネイタルチャートを使ったその人の病気の傾向と対策についてと、どの体液が強いかを知ることによりハーブや精油をその作用から選択する方法を紹介致します。
ぐら(皆川剛志)
シグナル:10万人のデータが示した占星属性の謎
2010年から2017年にかけて行った出生データ調査は未知のパターンを検出しました。
特定の太陽サインと月サインの組み合わせに見られる顕著な「偏り」は、未だ解明の余地を残しています。
調査の背景となる動機と仮説、具体的な手法、費用、また同期間に収集した関連データを余すところなく紹介。
占星術が内包するシグナル〜兆しについて、データの視点から解説します。
往年の占星術ファンからデータサイエンティストまで、幅広い層の方に向けた内容です。
いけだ笑み
惑星占星術 あなたのプラネタリ―タイプは?
占星術で性格判断をする場合、何座であるかに注目するのが一般的です。しかし、占星術のオリジンを辿ってみると、サインの性質の違い以前に、惑星の性質の違いのほうが重きが置かれていた時代が長くありました。
出生図のどの惑星が最もその人にとって扱いやすいかや、どの惑星に自己意識を同一化させやすいかを考える技法は様々です。今回、それらを簡略化したかたちで総括して、惑星を選別するテクニックを提案したいと思います。
自分の惑星タイプを知ることで、たとえば、護符やハーブを選ぶときはもちろんですが、予測法によってハイライトされる惑星やプラネタリーアワーとの関係を推測するなど、これまでとはまた別の占星術的アプローチで広がる世界は絶大です。
芳垣宗久
ローカル・スペース占星術
〜方位に現れる惑星のシンボリズム〜
ローカル・スペースは、地平を基準とした惑星の「方位」を扱う占星術で、東アジアの気学や風水、奇門遁甲といった方位占術にあたる分野です。ローカル・スペースの狙いは、出生時の惑星方位を意識化することで、占星術的な影響力とより調和したライフスタイルを送ることにあります。この度はローカル・スペースの理論的な背景を解説するとともに、移住や旅行、自宅やオフィスのインテリア調整といったケースを通じて、惑星方位の実践的な応用法をご紹介いたします。
田中要一郎
リセプション その様々な定義
近年の西洋伝統占星術はめざましく普及しつつありますが、現代占星術ではあまり触れられない用語が非常に多くあります。
「リセプション」はそういった伝統占星術用語のひとつです。ただ、文献的には様々な定義があり、
著者によってその定義が異なる場合があるので、古典を読んでいると迷路に入ってしまう可能性があります。
今回はその様々な定義を紹介し、リセプションとはどのようなものなのかを探っていきます。
賢龍雅人
プログレスの可能性
占星術家が必修として使う進行法は、1日1年法と言われるセカンダリー・プログレッション(以外、プログレス)がメジャーでありますが、現在では限定化された使い方が多いかと思います。昨年のカンファレンスで、プログレスの中での水星のステーションと逆行、最大離角時などを扱ったように、他にも見るべき箇所は多々あるでしょう。例えば、プログレスのボイド期間中は、人生におけるどのような時期なのでしょうか。プログレスの可能性を広げるための、さまざまなアイデアを実践と検証をおこないます。
鏡リュウジ
トランスパーソナル心理学と占星術 S.グロフの占星術をめぐって
1970年代から、精神分析、行動主義、人間性心理学に次ぐ「心理学の第4の潮流」として脚光を浴びたトランスパーソナル心理学。日本でも80年代以降、大きな注目を浴びました。従来の近代的自我を中心にした意識モデルを超えて行こうとするそのスタンスが、現代的な問題に向き合うための重要な視点を提供されると考えられたのです。そのトラスパーソナル心理学の父の一人がチェコ出身のスタニスラフ・グロフであり、その業績は日本でもよく知られています。しかし、このグロフが占星術の熱心な支持者であり、その学徒たちが占星術を独自に研究、展開していることはほとんど知られていません。今回はトランスパーソナル心理学の父グロフとその後継者たちによる占星術をご紹介していくことにしましょう。
★
スピーカー・プロフィール
ベンジャミン・ダイクス PhD
伝統占星術家、翻訳家。アメリカのイリノイ大学で哲学の博士号(PhD)を所得。イリノイ、ミネソタの両大学で哲学を教える一方で、ロバート・ゾラーより中世占星術を学ぶ。アブー・マーシャル、グイド・ボナッティの著作の翻訳から始まり、ラテン語、アラビア語、ギリシャ語の数多くの占星術の古典的文献を翻訳する。また国際的に伝統占星術の講義を開催している。
著書に『現代占星術家のための伝統占星術入門』(太玄社刊)などがある。
著者ホームページhttps://www.bendykes.com/
バーグ文子(Ayako Berg)
ロンドン・スクール・オブ・アロマテラピー・ジャパン(LSA Japan)校長。IFA認定プリンシパルテューター/アロマテラピスト、Astrological Lodge of London会員、テンプル大学心理学研究科卒、2020年よりカリフォルニア州ソノマ・カウンティーに在住。STA(School of Traditional Astrology)のメディカルアストロロジーコース(2022)とホラリーコース(2023)修了 著作「アロマティック・アルケミー」「アロマティック・アストロロジー」(フレグランスジャーナル社)「アロマテラピー精油事典」(成美堂出版)、翻訳「精油のヒーリング・インテリジェンス」「サトルアロマテラピー」他 www.lsajapan.com
ぐら(皆川剛志)
占星術家、絵描き、アマチュア天文家。サンフランシスコ美術大学(San Francisco Art Institute)卒。株式会社博報堂、株式会社BPS勤務を経て、2000年から企業向けのグラフィック、フロントエンドデザイン会社を経営。2009年より統計分析を目的とした占星術サービス運用を行う。現在は講座や執筆を通し、占星術ファン向けに古典時代の占星術知識、天文知識の普及活動を行っている。著作『完全マスター 予測占星術』『ハウス 天空の神殿(翻訳)』『ホラリー占星術 実践ガイド(翻訳)』など。クオリファイング・ホラリー・プラクティショナー(Q.H.P.)
いけだ笑み
宇宙のからくりと人間存在の謎について、物心ついたころから考え続け、古代占星術と錬金術思想にたどりつく。1999年からプロの占星術家としての活動を開始。主にホラリー占星術の研究と実践に取り組みながら、東京、大阪、仙台、福岡などで講師活動やイベントを主催。著書は、『基本の「き」目からウロコの占星術入門』『基本の「き」目からウロコの占星術入門②』『ホラリー占星術』『ホロスコープが読めるようになる西洋占星術』(説話社)『フレンドリータロット』(太玄社)、共著『鏡リュウジの占星術の教科書ハイテクニック編Ⅴ』(原書房)など。
芳垣宗久
占星術研究家。ホロスコープを人間の創造力を引き出す思考ツールとしてとらえ、古典から近代のテクニックまで幅広く研究。個人相談や原稿執筆のほか、セミナー・講演等も積極的に行っている。占星術スクール「ヘルメス学園」主催。著書に『女神からの愛のメッセージ 小惑星占星術』(説話社)、『超開運 ダウジングでどんどん幸せになる本!』(芸文社)、 共著に『もっと深く知りたい!
12星座占い』(説話社)がある。
HP https://munehisa-yoshigaki.com/
Twitter https://twitter.com/astrohund
田中要一郎
1974年和歌山県生まれ。 早稲田大学卒。 占術研究家。翻訳家。芸人。西洋伝統占星術、インド占星術、七政四余など古典をベースとした東西の占星術を比較研究する。 日本、中国、インド、欧米の諸師に学ぶ。レイモンド・ロー公認風水師。
ディプロマ:クリス・ブレナン ヘレニスティック・アストロロジーコース、マーティン・ギャンステン マスター・オブ・プライマリーディレクションズ。
<書籍> 翻訳:ウィリアム・リリー「クリスチャン・アストロロジー 第1書&第2書、第3書」、アラン・レオ「アラン・レオの占星術 出生図判断の秘訣」、ベンジャミン・ダイクス「現代占星術家のための伝統占星術入門」、梁湘潤「子平推命 基礎大全」、 徐芹庭「風水羅盤大全」 対談集:「占術談義」(すべて太玄社刊)
共著『鏡リュウジの占星術の教科書ハイテクニック編Ⅴ』(原書房)
賢龍雅人
長年に渡るカルチャーセンター、占いスクールでの豊富な鑑定経験を活かした丁寧な指導には定評があり、鏡リュウジ氏を主幹とする東京アストロロジー・スクールでもチューターを務める。内外の占星術ソフトやアプリにも精通し、様々な占星術書にマニュアルを寄稿。著書に『マイ・ホロスコープBOOK 本当の自分に出会える本』(説話社), 『マイ・ホロスコープBOOK 本当の恋愛・結婚観がわかる本』(説話社), 『マイ・ホロスコープBOOK 本当の仕事・お金観がわかる本』(説話社),『新ウェイト版フルデッキ78枚つき タロット占いの教科書』(新星出版社)がある。
ブログ ”No Tarot, No Life”:ameblo.jp/ken-ryuu/
ツイッター:twitter.com/masato_kenryuu
鏡リュウジ
占星術研究家。学生時代よりメディアで活躍、ポピュラーな占いコラムからアカデミックなものまで幅広く執筆。英国と日本を往復し、英国の占星術を日本に紹介、従来の「占い」のイメージを一新した。学会や美術館での講演に招かれるなど学術的な活動にもその領域を広げている。とくにユング心理学に通じており、関連図書の翻訳も多数。英国占星術協会、オーストラリア占星術協会の大会などでも発表、ジャーナルに寄稿するなど国際的にも知られている。国際基督教大学修士課程修了、日本トランスパーソナル学会理事。京都文教大学、平安女学院大学客員教授。東京アストロロジースクール主幹。主な著書に『占星術の文化誌』、監訳書に『占星術とユング心理学』『赤の書と占星術』、またユリイカ別冊「タロットの世界」責任編集など、出版物多数。
東京アストロロジースクール https://kagamiryuji.jp/school/
黒岩健人(通訳)
1987年神奈川県生まれ。バース大学大学院通訳翻訳修士課程修了。会社員をしながら、大学講師、フリーの通翻訳者として活動をしている。『アラン・レオの占星術 出生図判断の秘訣』を翻訳。