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日本占星術カンファレンス

第2回​

〈2023年テーマ〉
ダイバーシティ


【開催日時】
2023年8月6日(日)8:30~


ご挨拶

昨年日本占星術協会主催での日本占星術カンファレンスは大盛況のうちに無事終えることができ、また大変ご好評いただきました。
そして今年も第2回目となる日本占星術カンファレンスが開催されることになります。昨年に引き続いてのスピーカーに加え、新たなスピーカーもお迎えいたします。
また今年はパネルディスカッションのコーナーを設けました。あるテーマについて、議論していただきますが、初めての試みですので、どういった議論が展開されていくのかご覧いただければと思います。
今年のカンファレンスのテーマは「ダイバーシティ」、つまり多様性です。
占星術はその時代その時代でその概念や技法の原理が多かれ少なかれ異なり、また時代という大きな枠組みでなく、個人個人でさえも異なる場合があります。
占星術はそもそも多様性を内包すると言えますが、多様性といっても「何でもあり」というのはやはり問題もあるでしょうし、歴史的にはある程度の定まった枠組みが脈々と続いています。また、その多様性と歴史的、文献的な事実はまた別の話でしょう。
本カンファレンスでも、様々な考えが紹介されると思います。占星術のその豊富な多様性を味わって頂けたらと思います。

日本占星術協会会長 田中要一郎


スケジュール

2023年8月6日(日)

08:30am 開会式


09:00am 芳垣宗久

10:00am 登石麻恭子

11:00am 賢龍雅人

12:00pm 田中要一郎


昼休憩

01:00pm~


02:00pm いけだ笑み

03:00pm IKKA 辻󠄀一花

04:00pm 鏡リュウジ

05:00pm パネルディスカッション


06:00pm ヘルメス大賞

06:30pm~07:00pm 閉会式





09:00pm~

Zoom打ち上げ懇親会(同じzoomリンク、録画無し)。



芳垣宗久


占星記号のルーツと神秘主義的解釈の歴史


西洋占星術では惑星やサインの表記にあたって独自の記号(グリフ)が用いられますが、それらの歴史的な起源はいまだ謎に包まれており、デザインの由来についても様々な説が存在しています。また、時代によって大きく姿を変えた記号、あるいは複数のバリエーションを持つ記号も少なくありません。一方では、占星記号のミステリアスな形状は、後世のオカルチストたちの想像力を強烈に掻き立て、それらを神秘主義の奥義にも通じる神聖なシンボルとして解釈させてきました。今回はこれまでに提唱されてきた占星術家や神秘家、歴史家の説を再整理しつつ、占星記号のルーツと象徴性について改めて考察していきます。

登石麻恭子


生物学的成長と年齢域


人の肉体的機能や知的能力は年齢とともに発達していきます。そしてそれと同時に年とともに衰えていく機能も出てくるでしょう。また占星術でも年齢域という考え方を通じて、人の成長を取り扱っています。
今回は西洋占星術で取り扱われる年齢域について、生物学的な観点から年齢の変遷にまつわる肉体的な機能や知的能力の発達のあり方を確認し、それらを結び付けて考察していきたいと思います。またそこから、成長と老化にまつわる要素を再定義し、人間の可能性について再考していきます。


賢龍雅人


Mercury Retrograde(ネイタルの水星逆行とプログレスの水星における人生の転機)


「何故だ。発想に落ち度はない筈だぞ・・・太陽が中心なら惑星は逆行せず、軌道は完璧な真円にならなければ・・・」【出典:『チ。』―地球の運動について― (4), p149, 魚豊 (著) 小学館】
古来から天体の逆行は、人類を惑わして様々な発想を生んできました。そして「周転円」といった数学的な概念まで生み出すようになりました。今回は、逆行の仕組や占星術的な解釈、またホロスコープ進行法(セカンダリー・プログレッション)における水星の順行逆行における、人生の転機にフォーカスしていきます。

田中要一郎


古代のハウスシステム


占星術で使用されるハウスシステムは様々であり、また「どう分割するか?」という思想が反映されたものになっています。
現在使用されるハウスシステムは数多くありますが、ではホロスコープ占星術が誕生した頃、古代でのハウスシステムはどのようなものだったのでしょうか?
時々議論されるホールサインハウスシステムと四分円ハウスシステムはどう使用されていたのでしょうか?
今回は特にヘレニズム期のハウスシステムについてお話いたします。

​いけだ笑み


月が紡ぐ物語


月があるサインに入宮してから出てゆくまでの間に、他の惑星たちと次々に形成する角度。これに注目して質問にまつわるアットモスフィア(雰囲気、空気、ムード)の推移を読み取る行程がホラリー占星術にはあります。
医療占星術で使用される病のチャートにおいても、月の入宮から出宮までのアスペクトは体調の変動と峠を読み取るために重要視されました。
 今回私は、出生図における月の推移をロールプレイングしながら、その人の中にある「心の落としどころ」つまり物語をどのように取り込んでゆくかの行程を想像するメソッドを提案したいと思います。

​IKKA 辻󠄀 一花

ミッドポイントとその可能性


ミッドポイントは高度なテクニックと思われがちです。しかし実際にはシンプルでとても使いやすいため、モダンなアストロロジーを実践する方が、基本ツールとして導入することでチャート読みの可能性を高めることができます。
今回はミッドポイントの基本を簡易に説明しながら、実際に予測においてどのように用いるか具体例をお話ししてゆきます。


​鏡リュウジ

ジェイムズ・ヒルマンの魂の心理学と占星術


ユング派の心理学者ジェイムズ・ヒルマンは心理療法の領域のみならず広く現代の文化についても論じ大きな影響を持ちました。あまり知られていませんが、その思想の源泉の一つにルネサンスの占星術や魔術があります。ヒルマンは近代の小さな主観的な「心」を再び宇宙的な「たましい」に立ち戻らせようとしたのです。
この時間ではヒルマンの占星術をご紹介します。








第1回

〈2022年テーマ〉
ニュー・ホライズン


【開催日時】
2022年8月20日(土)8:30~

ご挨拶

この度、日本占星術協会主催で日本占星術カンファレンスの第1回目が開催されることになりました。占星術の研究者が一同に会して行われるこのカンファレンス。初めて出会う占星術の知識や考え方、様々なスピーカーの講義に耳を傾けることで、占星術の世界がこれまで以上に広がったり、新たな可能性が見つかる場になるかもしれません。占星術の道は長く終わりがないようにも思えますが、このカンファレンスが占星術の歩みの一助になってもらえれば幸いです。

日本占星術協会会長 田中要一郎


スケジュール
2022年8月20日(土)

08:30am 開会式

09:00am 田中要一郎
10:00am いけだ笑み
11:00am 賢龍雅人
12:00pm バーグ文子

昼休憩
01:00pm~

02:00pm 石塚隆一&チャンドラ・ケイ
03:00pm 芳垣宗久
04:00pm 登石麻恭子
05:00pm 鏡リュウジ

06:00pm ヘルメス大賞
〈ヘルメス大賞は過去3年間に出版された占星術の研究書、教本、翻訳書のうち、最も優れていたと認められる書に与えられます。〉

06:30pm 閉会式

各講義50分。
講義と講義の間に10分間休暇。
お昼休憩は1時間。



田中要一郎

未来への進行:プライマリー・ディレクションとセカンダリー・プログレッション

出生図の惑星やポイントを進行させる予測法に、 現代占星術ではセカンダリー・プログレッションがよく使用されるもののひとつですが、 近年の伝統占星術の復興とともに、プライマリー・ディレクションの研究が進み、欧米では使用する占星術家も増えてきています。 プライマリー・ディレクションは1世紀のドロテウスや2世紀のプトレマイオスによる書の中でも 紹介されており、長い歴史の間使用されてきました。 今回この進行による二つの予測技法が基づく異なる概念を比較し、 近代に入ってからの誤解を挙げ、実際にはどうであったのかということも提示します。



いけだ笑み

惑星の品位について:その種類と用途

古典占星術では、ホロスコープを読むときに「注目すべき惑星はどれか」を考えます。 その目安として惑星の強さを測る物差しがいくつもあり、中でも惑星の品位(ディグニティー)は、支配星(ルーラーシップ)の元となる概念で、エジプト、アラビア、ギリシャヘレニズムを経て現在のものへと変容してきました。 今回私は、ディグニティーの成り立ちと種類の紹介から、個人への影響の可能性についてお話しします。

賢龍雅人


人生の文字盤:Age Point

占星術の未来予測の手法は、体系化された時から様々なものが考案されてきました。その中で独自のアイデアを持ちながら、今ではあまり知られていないものも多くあります。20世紀に入りマズローや、ロジャースなどによるヒューマニスティック心理学が登場するころになると、占星術の世界にもこれまでと違った、人の一生を時計の文字盤に置き換えて考える予測法が現れます。フーバーのLifeClockや、A.T.Mann のLife Time Astrologyが知られていますが、今回はルディアのAge Pointを扱って、その独自の考え方の紹介と検証をおこないたいと思います。


バーグ文子

四体液論について:計算法と個人の性質に合わせた養生法

四元素の基礎理論はゾロアスター教に遡り、古代ギリシャのヒポクラテスにより四体液論に発展し、その後ガレノス、ユナニ医学へと受け継がれ、18世紀まで重要な医学的理論として扱われてきました。個人独自の四体液のバランスをもとに体質、気質が表現されます。これを出生図から割り出し、体調を崩す要因や養生法を探っていくのがメディカル・アストロロジーの基本となります。体質計算法と個人の性質に合わせた養生法を紹介致します。



石塚隆一
チャンドラ・ケイ

「ビジュアルアストロロジーへの招待〜心理占星術と恒星との融合」

三次元占星術、恒星占星術などとも呼ばれていますが、ベルナデット・ブレイディが確立した『ビジュアルアストロロジー』は、黄道上に投影する通常のホロスコープを天球全体へと拡張し、さまざまな星座や恒星などと関連付けながら象徴のイメージを深めていきます。恒星という土壌に撒かれた出生図という種がどう開花するのか。出生図、スカイマップ、恒星パランを統合し、全体像を掴んでいく方法をご紹介します。


芳垣宗久

水瓶座の歴史

「牡羊座は元気、牡牛座は穏やか」といった12サインの性格的な特徴は、古くはヘレニズム時代の文献にも記述がありますが、その内容は時代によって変遷が見られます。特に占星術の心理学化が始まった19世紀以降は、12サインを描写するボキャブラリーは格段に豊かになりましたが、かえって解釈が混乱し、その本質が見失われしまったサインも存在します。この度の講演では、歴史的に最もラディカルな変容を遂げてきた水瓶座の人格イメージを主軸として、先人たちが12サインの元型をどのように見出してきたのか、その過程を再検討してみたいと思います。


登石麻恭子


キローンの多彩な顔

西洋占星術において小惑星であるキローンは心の傷や癒しに関連すると言われています。 しかし先端医療や先端技術に関連する要素としても取り上げられていたり、教育などにも関わる要素を持っている天体です。 今回はキローンについて、神話や伝承、その背景などから様々な側面を多彩にとらえつつ、どのような働きを持つかなど解釈としての多様性を引き出していきます。そしてその上で、キローンの意味として本質的な骨格はどこにあるのかを探ります。 傷や癒しだけではないキローンの働きについて可能性を広げていきましょう。


​鏡リュウジ

エレメント再考 

惑星のエレメント配分のアセスメントは、今ではホロスコープ解釈の最初のステップの一つとして定着しています。この方法は、あの心理学者ユングも患者のホロスコープを見るときに(ユングはときおり患者のホロスコープを参照していたのです!)用いていた証拠があります。 しかし、伝統的な占星術ではこのような方法は見当たらず、これは現代占星術のイノベーションの一つだと考えられます。このトークではエレメント解釈がどのように発展し、展開してきたのかを振り返り、その可能性を示していきましょう。僕たちのこころの深いところに根ざす物質的想像力がいかに占星術と結びつき、自らを表現してきたのか、再検討し、象徴が新たなかたちで生命力を獲得してゆくプロセスを検討します。





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